問題一 １、次の文を読んで問題に答えなさい。答えはそれぞれ①②③④の中から一つ選びなさい。 パリのある下町に、たいへん欲の深い肉屋がいた。毎日の食事や衣服を節約して、女房にとてもケチな肉屋は、たくさんな財産を蓄えているのでも有名だった。 ある日、十二歳ぐらいの女の子が肉を買いにやってきた。その女の子はお金を忘れたといって、持っていたバイオリンをその肉屋に渡していった。それから三十分くらいすると、一人の老紳士が肉を買いにやってきた。その老紳士が、女の子が肉屋に預けたバイオリンを見て、「これはストらディバリワスという世界の名器だ。五十万フランで買いたい。」と熱心に肉屋に頼んだ。 そこで、肉屋は、持ち主の女の子に話して自分が買い受けてからこの老紳士に売ろうと考え、①明日の九時にもう一度くるようにといった。 例の女の子は、すぐ戻ってきた。肉の代金を支払い、バイオリンを受け取って帰ろうとした。そこで肉屋は「ねえ、②そのバイオリン、おじさんに売ってくれないかね。あまりいいバイオリンじゃないけれど、うちの子もバイオリンをこれから始めるので一つほしいんだよ。」といって、女のから五万フランでそのバイオリンを譲り受けた。先ほどの老紳士に売れば、四十五万フランの儲けだ。彼は当然大喜びだった。しかし、その③老紳士は翌日の九時になってもやってこなかった。老紳士と女の子による計画的な詐欺であったのである。
肉屋は女の子にバイオリンの代金としていくら渡したのですか。
A．五十万フラン
B．四十五万フラン
C．五万五百フラン
D．五万フラン
